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2009/08/19

MIWA

2009/08/19 夏休み 1

 はっきりいってぜんぜんノル気じゃぁなかった。
だいたい『なぜ今、尾瀬なんだ?』
そんなテンションからスタートした。
 夏休みのイベントに、店長と子供たちだけで行くんじゃなかったの・・・?
私はてっきり、そう思っていた。

 『尾瀬か・・・、』
15年、いやもっと前だったかもしれない昔々に一度行ったきり
思い出すことさえ忘れていたあの『尾瀬か・・・、』
 断片的にだけど、蘇る記憶はちょっとしんどく(辛く)て
ますます重たい気分になった。

 『まぁいい。』
行くと決めたら(返事)つべこべ言わずに行くんだ!!

だって・・・、週一で教えてもらっているバドミントン夜練習に
行くことが決まってんのに、『今日は行くの?(俺ら疲れてるんだけど・・・)』
と、私の万が一(『疲れてるならお休みしょうか~♪』)を期待して
聞いてくる息子らに
『行きたくないからって、行かなくていいわけないじゃん。』
と、きっぱり言っているてまえ・・・・・・、

 しかし、二度目の尾瀬は予想に反して なかなかおもしろい旅になったんだ。
見かけ通り真面目な!? 私は 歩きながら、たびたび『人生について』考えたりした。
この場所もこの時間の使い方も、『歩く』という行為も 非日常。
 2日間 仕事もせず、ご飯も作らず、『勉強しなさい、片付けなさい。』も言わず
ただひたすら『歩く』――――――――――――ことのもたらすもの。
 
東電小屋で、夜19時半には布団に入り、いつものちょうど2倍の量 眠ったこと。
 宿で作ってもらって帰路で食べる昼食に ソフトボール位の大きさのおにぎりを2つ、
あっという間に食べたこと。 せっけんもシャンプーも使わないで入浴し、
歯ブラシに水だけつけて磨いたこと。
《やれば出来るじゃん》

鳩待ち峠からわりと急な勾配の山道を下ると間もなく
四方を山に囲まれた 広大な尾瀬ヶ原が広がり、その瞬間、
それまで頭上を支配していた大きな木々や巨大化した植物のおかげで
ひんやりしていた空気が 一瞬にして変わった。
 しばらく歩いて、そして歩くのを止めて、
その場でくるくるくるっとコンパスみたいに一回転してみる。
木道以外、人工物がひとつも見当たらない。 電柱(もちろん電線)なんか無い。
ここの広さ、東京ディズニーランドの7倍くらいらしい・・・マジ?
っていったってよくわかんないや。 とてつもなく広いということだ。
《凄いなぁ、不思議な感じ~!》
 例えば、海岸で沖の方を眺めればそうかもしれないけど、後ろ、左右にはガードレール、海の家、テトラポット、自販機・・・、必ず何かが見えるもんだ。

*歩きながら・・・、考えた。
手付かずではなく、必要なところにだけ手を貸すってことか。
保護しなければ、今の世の中 自然には自然は残らないかもしれない。
幾年も幾年も 厳しい風雪に耐え生き延びてきたものを、
私たちは 悪気も無く  いとも簡単に壊してしまうんだ。
知らないということは、怖いこと。
これ以上いろんな事を『便利』にするのは もうやめた方がいいよ。
自分の足(力)で行って、帰ってくること。
『地球(未来)の為に働いている』、みたいなことをしている人のこと・・・
宇宙飛行士も山小屋に食料や生活物資を 背中に担ぎ歩いて運ぶ男(ひと)も。

自生する花々は 小さいのにとてもたくましく見える。(なぜか?)
ただガイドブックを見ただけでは 可憐(かれん)という印象だけを
記憶したかもしれない。 《きれいだ》
 ここにしか生息しない体長2センチ、日本一小さいハッチョウトンボを見つけたよ。《とってもラッキー》
体長15cmくらいあるナメクジは・・・、別に本物を見なくてもよかったな・・・。
《気もい、あぁ超、気もい~!!》

子供たちは 熊除けの鐘があれば必ず鳴らし(ピンポンダッシュ!?)、
池塘のそばを通るときには イモリを探そうと水中に目を凝らす。
見つける度に、『うあぁぁ、すげぇ~、ちょっと来てぇ~!』
そのつど小走りして駆け寄り、『俺これで3回連続見た(自慢)し~。』
↑を、やるから 広すぎて景色が動かない比較的単調な湿原の木道でさえも
三匹にはそうとう刺激的なんだね。 そんな様子、見ている私も飽きない。

 彼らが一緒でなければ『やっほ―――――!』なんて大声、
恥ずかしくて言えなかった。『やっほ~!スタッフぅぅぅ~?』

 長男は白樺の樹の造形に相当惚れ込み、『かっこいい~!』って何回言ったかな。
 次男はイモリのとぼけた格好を見逃さなかった。笑える。
 三男と私は鳥の鳴き声について、語り合い、同感(同じ)だった。
 
*鳥の鳴き声について
 尾瀬ではうぐいすやかっこうなど、常に何処にいても
何種類かの鳥の鳴き声が響き合っていた。 近くに居そうだけど 姿が見えない。 
『本物の鳥は実にウソっぽく鳴く。』ってわかった。
親子二代で泣き声をマネしている噺家さんがいたけど、ぜんぜんソレっぽい。
木道のどこかに センサーが仕掛けてあって、通るたびに反応するやつだったりして・・・
って思うくらいクリアーできれいな鳴き声なんだもの。
少しくらいかすれているくらいが、リアルで本物だと感じる感覚・・・、変かな?

そんなこんなで、尾瀬の土産話は今のところまだ 尽きない。
気が乗らない事をするのも、たまにはいいもんだ。

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