2008/02/01
MIWA
那覇(なは)国際通り 県庁を背に3分の2歩いたあたりから垂直に右に折れる小路に
『第一牧志公設市場』がある。 年明け早々、二泊三日の沖縄家族旅行の最終日
首里城見学の後、バスツアーの皆さんと別れ、自由行動の私達は『るるぶ』や添乗員さんの
情報から、何やらとても楽しみにして そこを訪れた。
*気がつけば元旦から豚(肉)ばかりを食べている……。
実家ではお正月料理の定番になりつつある『焼き豚』
そして、それにまつわる話を母がすることも定番だ。
昔、母が作った『焼き豚』を子供の私(小学生)がタンスに隠した————って話。
その話をされる度に、タンスの一番下の引き出しに、甘しょっぱいカラメル色のおつゆの中に、
タコ糸でぐるぐる巻きにされた 2本の豚肉の塊がお鍋の中でゆらゆら揺れていて、
表面に出来た脂のリングと刻んだねぎやにんにくが キラキラ光っている画(え)を、
リアルに思い出すのも常。 ついでに、美味しそうな匂いまで思い出す。
大人になった今は、好きだけど、あまり沢山はいらないなぁ。
沖縄での食事は、普通にしていても豚肉三昧になった。 爪以外、全部食せるらしいよ。
ソーキそば、沖縄そば、チャンプルー料理、ジューシーっていう混ぜご飯、
あらゆるところに存在している。
みみがー(耳)、ちらがー(顔の皮)が意外と食べやすかった。
走行中のバスの中から、トラックの荷台に乗せられている 生きた豚まで目撃した。
あの子たちも、いずれ誰かのお腹を満たすわけだね。
市場での見所は、南国ならではの色とりどりの魚屋さん。
こんな綺麗なエメラルドグリーンの魚はお醤油で煮付けると、何色になるんだろう?
水族館でしか見たことの無いような魚を、食べるって…、どう?
食わず嫌いな人の気持ちが一瞬解った気がした。
ほかにも、沖縄ならではのお惣菜屋さんやお菓子屋さんで海ブドウや名産品の試食。
そして、やっぱりお肉屋さんだ!
お店ごとにお客さんの気を引くように 工夫して飾られているのは、もちろん『お肉達』。
サングラスをした豚(頭部)、バラを咥えて、ピース(豚足)しているものさえいた。
吊るされている部位はおしりのような丸みからみて 後ろ足だろうか?
市場ならではの活気。 浅黒い肌で、人なつっこい笑顔で、
モノも人も《わぁぁぁ……》って迫ってくる感じが何だかアジアっぽい。
なかでも、私達を呼び止めて、手のひらに次から次にどんどん…試食品をのせていく
『大一ミート』のおばちゃんは とりわけすごかった。
手に置いていくスピードは、ずいずいずっころばし~♪やってるみたいに速い。
食べることについて行けない店長は、いつの間にか居なくなっているし、
食が細い次男は、口に入れた瞬間にもう次のをのせられて、逃げたくても逃げられない状況。
長男は『上手い!!』と答えるほどの余裕があり、私と三男はかろうじて5、6品を食べきった。
彦麻呂さんが居たら、『まるで、豚肉のわんこそば状態や~!』って絶対言ってるな。
このおばちゃんのなにがすごいって、止まらないのは手だけじゃなく口も!ですから。
材料の説明から、食べ方、作り方を、『○○さぁ~、△△さぁ~。』って。
沖縄独特のゆる~い語尾でしゃべりまくる。
さらに、『トントン(豚々)拍子に良い事が起こりますように~!!』って
テンポ良く何度も何度も繰り返すのさぁ~。
正直これには、参った。 面白くて、ちょっと(実はとても)嬉しかった。
そして、本当に起こる気がした。
おばちゃん特製の肉味噌を購入したことで、私からの『ありがとう』が伝わったかな?